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Guide in Blaze の後書きみたいなもの。

お久しぶりです、びびんばーです。約1年3ヶ月ぶりのブログ投稿です。今日はタイトルの通り、先日公開しました新作SRPG『Guide in Blaze』(以下ガイブレ)の後書きのようなものを書きたいと思います。公開後にいただいたご意見や感想などを含めた所感、この場を借りてのお返しなどなどです。ネタバレしまくりなので、1回はクリアした方の閲覧推奨です。ご注意ください!


さて、まずは想定を大きく上回るくらい多くの方にプレイしていただき、また自分史上最多の感想やレビューもいただいていることに心から感謝申し上げます。高クオリティのキャラグラ素材の訴求力によるものだとは思いつつも、自分の作品が多くの方に認識され、人様の心に何かしら残せたと思うとやはりすごく嬉しいです。中には中身の尖ったゲームと知らずにプレイされてひどい目に遭ったと思われた方もいらっしゃるかもしれません。辛い思いをさせたとしたら申し訳ありませんが、一方で辛い思いをしていただく中で得られるものにメッセージを込めた作品ですので、そういうゲームだとご認識いただければ幸いです。

ここで誤解されている方がちょいちょいいるようなので一つ申し開きしたいのですが、私はSRPG熟練者でも高難易度主義者でもありません。「そういう人が作ったゲームだ」という意味合いの感想をいくつか見ましたが、そんなことは全くありません。私がSRPGを遊ぶ時に最高難易度を選ぶことはほぼないですし、厳しい難易度は時間とエネルギーの消費が結構な負担だと感じているのが本音です。しかしガイブレに関しては公開直後はレビュー欄が阿鼻叫喚の様相を呈するほど、難しいと感じる方が多かったようです。これはある程度想定済みの反応ではあったのですが、難しいゲームを作ろうとしたのではなくて、やりたいことを実現するには厳しめの調整をする必要があった、と言えると思っています。本作の特徴であるガイドやサクシードなどのシステムは、もしゲームが楽々クリア出来る難易度だった場合、即、空気のようなシステムと化していたでしょう。シナリオや演出でシビアな戦争を表現しても、攻略は楽勝、というチグハグさは本作では回避しようと思って調整しました。作者の意図を汲んでくれ、タクティカルモードでクリアしてくださった方も意外に多く、またそういう方ほどアツいレビューを送ってくださっている気がします。届く方には届いた、と思いとても嬉しく感じています。

また、育成を間違えたらやり直し必要だとか、正解が一つしかない詰将棋という感想は、残念ながら視野が狭くなってるんだな…と思いましたが、その後逆に自由度が高いという感想をいくつもいただけたのは救いでした。ガイドとサクシードを組み合わせる攻略法は無数にあり、さらに言えばそれらを縛ってもなんとかなるようには出来てると思ってます。10章で2人を助けようとする場合に関しては詰将棋的になってしまうのは否めませんが、まああれは攻略に必須ではないやり込み要素の部類だと思ってます。

10章の話が出たのでもう一つ。ガイブレで恐らくプレイヤーに強い衝撃を与えたのは2章と10章だと思いますが、2章の避けられない犠牲から得られる遺志の力が、どれを使っても10章突破の鍵となるという(あまり気付かれていない)演出が、本作で一番やりたかったことです。にもかかわらず当初、その2章に抜け道があることに気付かなかったのは、結構痛いバグでした…少女の影に身を隠すのが唯一の生き残る道なんて、さすがに思い付きませんし、気付いていたら残しません(笑)今はもうそれらの抜け道はなくなってますが、どうやら1章、2章でマイラに経験値を徹底して集めると力技で突破することも出来るようです。これは成し遂げた方の執念と努力に敬意を表して特に修正などせずそのままにしてあります。

ここからは色々な方から要望や言及を受けている「セルフィスが生き残る道はあるのか?」という点についてです。結論としては、「現時点ではない」となります。本作の最終局面の展開や結末は、直前まで何も決めずに製作を進めており、話の展開と、各キャラクターの行動原理に任せたところ、ああいう形の結末にしかなりえませんでした。当初はエレナルートとリューマルートでは違った結末になるんだろうなと思っていましたし、完全な三つ巴の争いとなり主人公三人のうち一人しか生き残れないという絵も一つの結末の形として描いていました。しかしたとえ過程は変われど、三人それぞれの生き方と、それぞれが何を最も重視するのかを突き詰めると、辿り着く結果は一つしかありませんでした。究極的に言えば、作中に悪魔の呪文を出してしまった時点で道は決まってしまったのだと思います。これはMistriaHorizonで決着を付けたはずの悪魔の呪文を再び持ち出さなければシナリオの起伏を作れなかった己の力量不足が露呈しているのだとも思い、反省点です。前々作で乗り越え、打ち克ったはずのものに、今作では運命を決められてしまったようなものなので、あまりカタルシスを感じられない結末になってしまったのは、今作で最も悔やまれる点でした。個人的には、やはり人が運命を切り開く物語にグッと来るので、今回のほろ苦さは今後の創作の糧にしたいと思います。但し、セルフィスに関しては「分かっていて」自ら選び、その結果彼が守りたかったものを守っているので、彼を哀れなシナリオの犠牲者とは思っていません。これからセルフィスの異なる運命を描くのはあまり考えられないのが正直なところですが、語られなかった彼の想いに迫る描写を、今後の追加更新で出来たら良いなと考えています。セルフィス以外にも作中では描写が足りなかった点を補完する追加要素をいくつか考えていますので、楽しみにお待ちいただけますと幸いです。

長々と、支離滅裂に書いてしまいました。製作当初から挑戦作と名乗った問題作でしたが、恐らく私の代表作となるであろうこのガイブレを、今後もお引き立ていただけますと大変ありがたく思います。それではまた。