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SRPGに確率は必要か?

こんにちは、びびんばーです。
とても久しぶりの投稿ですね。FE風花雪月に嵌ってました(今も嵌ってます)。
ふと思い立ったので、今日はSRPGにおける確率について考えたことを綴っていきます。

SRPGにおいて確率は必要か?と考えると、極論を言えば必要ではないと思います。実際コンシューマーでもフリゲでも確率要素を排することで100%プレイヤーの采配に攻略を委ねる硬派で熱いゲームは多数あります。
緻密な計算とユニット理解の深さが鍵となる、これぞ戦略SRPG!って感じですかね。一方で同じ条件でプレイをすれば誰でも同じ結果を得られるので、パズルゲーム的、あるいは覚えゲー的とも言えるかもしれません。

今度は逆にSRPGに確率は不要か?と考えてみます。個人的には確率要素は好きですし、ないと淋しい気がします。確率要素≒運要素があると戦略性が薄いのかと言うとそんなこともないと思います。そこで確率要素を面白いと感じる理由をいくつか考えてみました。

①運をも計算に入れる戦略の面白さ
例えば、敵軍にクリティカル率がえらく高い剣士ユニットが混じっていたとします。30%の確率で味方が即死、あるいは瀕死になり、同時に襲ってくる他の敵の命中率70%の攻撃で死亡、なんて状況と仮定します。これを運任せゲーム、やられたらはいはいリセット、としてしまうのは簡単ですが、ちゃんと突破方法があればどうでしょうか。今こそアーマーナイトで受ける時、必殺を出されても耐え切れる!とか、回避と必殺回避が上がる支援キャラをつけてリスクを減らそう!とか、ここはジェイガン役に突破してもらおう、とか。確率を見てそれを乗り越える戦略を考える楽しさはあると思います。

またこういう事例はどうでしょう。HPの多い強敵、クリティカルを出さないと1ターンで倒せません。ここで味方の剣士にいつもは使わないキルソード(必殺の上がる武器)を持たせ、必殺率の上がるユニットスキル発動、クリティカル率50%の2回攻撃、これならいける!よっしゃあああ!なんていうシチュエーション、私は大好きです。たとえクリティカルが出なくとも、それを想定して回復役や救出役を控えさせておくところまで含めてSRPGの攻略の面白さだと思います。

②同じ展開が起きないからこその面白さ
プレイヤーの数だけ違う攻略方法があり、違った展開があり、それぞれのドラマがある。そういうのに個人的にはロマンを感じます。まあロマンはさておき、ガチガチにパターンが固められていると、好きなキャラを活躍させたくても出来ないケースも起こりやすいのかなと。
少し話がそれますが、度々見かけることがあるユニットの成長は乱数成長か固定成長かの議論。愛を持って好きなキャラを育てるという目的では前者が合うと思いますが、固定成長派は乱数成長をものすごく嫌っている印象があります。その理由は後述します。


ここからはSRPGにおける確率要素の弊害、どういう時にプレイヤーがストレスを感じるかを考えてみたいと思います。一言で言うと、理不尽さを感じた時、ではないでしょうか。

たとえば大きなミスなくマップ攻略を進めていき、いざボス戦。しかし3%の必殺を出されて主人公敗北、ゲームオーバーでマップ最初からやり直し。
コントローラーぶん投げたくなりますね。
厳密に言えば、必殺が出ても死なないキャラで戦うなどプレイヤー側でリスク管理は出来たかもしれません。しかし感情的には理不尽さを感じ、怒りが湧いてゲームをやめてしまうかもしれませんね。

また先程の乱数成長方式の場合で、キャラが全然成長してくれなかった時、プレイヤーは損をしたと感じると思います。そんなひどい成長が続いていわゆるヘタレキャラになると、もしかしたら攻略不能になってゲームが詰んでしまうかもしれません。これも理不尽と言えるでしょう。
乱数成長を嫌う人はこのリスクを強く意識している方が多いのかなと思います。


これらの確率要素の弊害は確率を採用してる限り完全に取り除くことは難しいと思います。それもゲームの要素と割り切ってしまうのもありだと思いますが、プレイヤーによって感じ方が違うことは理解した方が良いとは思います。
そしてここからが一番書きたいところですが、確率要素とそこから生まれる理不尽さへの対処。ここの工夫、調整こそゲーム製作者の努力が問われるところではないでしょうか。
高クリティカル率の敵が襲ってきた時の事例がありました。これだけなら戦略で対処出来ると思います。しかし、全ての敵が20%のクリティカル率で襲ってきたらどうでしょう。おそらく高難易度ゲームではなく運ゲー、理不尽ゲーと言われてしまうでしょう。しかしここでクリティカルを受けないアイテムや敵を引き付けるスキルがあり、必要十分なヒントが出ていれば、理不尽ゲームとは感じないのではないでしょうか。
意味のある確率設定と対応策(出来れば複数)の用意と示唆。製作者がちゃんと用意したつもりでも、プレイヤーが気付きにくいと思ったら理不尽さを感じてしまうでしょう。主観だけで判断せず、多くのテストプレイヤーの意見を取り入れるのが良いと思います。

また、乱数成長の詰み対策も色々と方法があります。まず成長率を全体的に高く設定するだけでかなり効果はあると思います。敵将との一騎討ちイベントがあるキャラは、即死しないようHPと速さが規定値に達していない場合は裏で引き上げる処理をイベント時に仕込むことが出来ます。ドーピングアイテムを多数用意すれば、ヘタレ対策と特定キャラへの偏愛者対策(?)も同時に実現できるかもしれません。
自身のゲームの詰み要因をしっかりと把握することが重要です。

そして確率要素からくる理不尽さやゲーム投げ出しリスクを軽減する対応策として、マップセーブを導入することは効果的だと思います。任意のところでやり直しが出来るのは本当にストレスフリーですよね。しかしこれは良い確率を引き当てるまでセーブ&ロードを繰り返すという遊び方を許容することにもなります。調整がまずいとただの作業ゲームとなってしまうかもしれません。個人的には多少のミスやアンラッキーも自身の采配で取り返して攻略していくのがSRPGの醍醐味だと思っていますが、プレイヤーの遊び方を縛るのも野暮だと思い、プレイヤーの裁量に任せることで良いのかなと落ち着いています。
その点FE風花雪月の天刻の拍動は素晴らしいシステムですよね。あのシステムがあると製作者側もプレイヤー側もストレスが減って本当に良いと思います。

長々と書いてしまいました。
一番言いたかったのは、確率要素はあってもなくても面白いSRPGは面白い!ということです。
それでは、また。