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『テーマ』の話。

お久しぶりです、びびんばーです。

気付いたら2ヶ月くらい振りの投稿ですね。
この間ネタがまとまらなかっただけですが、ブログ作成を自分への負担にする気はないので今後も思い付いたら書くスタイルでいきたいと思います。

今日はゲームのシナリオの『テーマ』についてです。最初にお断りしておきますと、私はシナリオライターの勉強をしたわけでもなく小説を書いたこともないので、素人の戯言くらいに思ってお付き合い下さい。

さて、ゲーム製作者の方はシナリオに何かテーマを決めていますでしょうか。私は決めるようにしています。テーマを持つことで、シナリオに一本筋が通ったり、締まりが良くなる気がするからです。
そもそもテーマって何ぞや?という話ですが、私なりの定義はこうです。『シナリオを通して伝えたいこと』あるいは『製作者が大事に考えていること』です。少し恥ずかしいですが、自己表現の一つの形と言えるのかなと。テーマを明言する必要はないと思いますが、プレイした方がそれを感じ取ってくれたような感想を述べているのを見るとすごく嬉しい気持ちになります。

テーマによるシナリオの筋とか締まりの具体的な例を挙げてみたいと思います。SRPGなら定番の悲劇的要素、『近しい人の死』という展開があったとします。これだけでもシナリオに起伏が生まれたり、主人公達の戦う理由付けになったりします。
ここで『過去を乗り越える』というテーマを設けているとします。すると、先程の展開が一時的にシナリオを盛り上げるイベントではなく、シナリオ全編にわたって向き合い続ける重要なファクターへと変貌します。
悲劇の原因の究明や、防げなかった後悔と乗り越える成長、そして終盤に再び同様の展開が訪れた時にキャラクターがどう振る舞うか。テーマを持つとこれらの要素が互いに繋がって、整理して描きやすくなり、また物語の全編に散りばめて唐突感を減らすことが出来ます。

テーマですが、特に一つに絞る必要はなく、また製作が始まってから(形になってから)加えるのも有りだと思います。前述の通り『製作者が大事に考えていること』は、自身でも気付かない内に作品に現れていることもあるので。
自己の経験です。拙作『水桜記』は元々『武士の生き様』をテーマに製作していましたが、中盤までプレイしたテストプレイヤーの方に『家族の物語』と表現いただき、ハッとしました。製作当初は意識していなかったのですが、丁度プライベートで家族の在り方について色々と考えていた時期でもあり、作品にも影響が出ていたのに気が付きました。以降、『武士の生き様と家族の絆』とテーマを広げてシナリオがまとまっていくことになりました。二つある最終幕のタイトルもそれぞれ『武士』と『家族』に自然と決まっていきました。

もしかしたら野暮な話になってしまうかもしれませんが、プレイしたゲームに内在する『テーマ』について考えてみるのも、ゲームの楽しみ方の一つとしていかがでしょうか。